黒人殺害事件
米国で、偽札を使おうとした前科持ちの黒人男性が、検挙に来た白人の男性警官に殺害されるという事件が起きた。
黒人男性は、警官に取り押さえられた際、うつ伏せの状態で上から頸を圧迫され、窒息死したのだ。
その時の実際の映像が流出している。警官が黒人への差別感情で、悪意をもって窒息させたのは、疑いようもない。
この事実に多くの黒人が怒り、全米で蜂起した。多くの大都市で、激しい暴動が起こっている。
当該の警察官は、殺人罪で起訴されたようだ。
この事件を、多くのマスコミが「人種差別」「人権侵害」として報道している。確かに、それには間違いがない。
しかしそれでは、もともと「黒人差別に好意的な」連中には、特に問題として認識されないだろう。故にここでは、別の視点から指摘してみたい。
そもそも警察官の任務は、「法に従った手続きで、犯罪者を逮捕・移送・拘置すること」のはずだ。
その犯罪者の量刑を定めるのは裁判官か陪審員。また刑を執行するのは刑務官の仕事だ。
しかし当該の警察官はおそらく、自身の判断で「この黒人を殺しても構わない」と判断し、自らの手で「処刑」しているのだ。
法に従うはずの警官が、自らの個人的な価値観に基づき、法を乗り越えて独断で一人の容疑者を「死刑」にした。
これは法治国家への冒涜であり、国家の根幹を揺るがす深刻な問題だ。
多くの白人が、いや黒人までもが、この事を理解していない。または理解していながら、意図的に「差別・不公平」という要素だけにフォーカスしている。
黒人差別を肯定する白人層は、この「法治」という視点で追及された場合、何と弁解するつもりなのか。
いずれにせよ、「法治」の観点からも「公平」の観点からも、当該警官が厳重に処罰されるべき事に変わりはない。