現実と遊離した株価

「半値戻しは全値戻し」と言われる株式市場。

 

1月から本格化したコロナショックで急激に下がった米国ダウや日経平均は、下落幅の約半分くらいの価格まで回復した後、ゆらゆらと上下を続けている。

 

しかし、これはどう考えてもおかしい。

 

これまで、株価の変動は実体経済と連動していると考えられてきたが、最近の値動きによって、そうではない事が明らかとなった。

 

理由はいくつかある。

 

一つは、株価に大きく影響を与えているのが、大口の機関投資家であること。彼らが恣意的に取引をすれば、かなりの程度で株価の操作が可能なのだ。

 

もう一つは、平均株価の指標となる企業は、日米ともに実体経済の悪化に持ちこたえられる体力のある巨大企業ばかりなので、株が下がりにくい傾向にあること。

 

多くの平均的な個人や中小企業が苦しむ一方、表面的な株価を支えている基準値が現実を正確に表せていない。

 

このようなことでは、株式市場の信頼性が損なわれ、いずれば多くの投資家が離れていくだろう。