腐敗した大河ドラマ
だが、問題はそこではない。
かなり前から大河ドラマの劣化は始まっており、今となっては見るに堪えない映像に成り下がってしまった。1996年の『秀吉』を最後に、まともな大河は一つも作られていない。
1980年代〜90年代前半には、見応えのあるものがあった。
『翔ぶが如く』は、全体を通しておかしな所がない。セリフもしっかりしているし、西田敏行、鹿賀丈史の演技も良い。
『独眼竜政宗』の、西郷輝彦や渡辺謙、北大路欣也の鬼気迫る演技は素晴らしい。最終回の死に際の演出が最低だったのが残念だ。
太平記は、筒井道隆の大根演技以外はほぼ完璧だった。武田鉄矢が魅せる迫真の演技、緒形拳、片岡孝夫らの重厚感のある所作も素晴らしい。
その他、武田信玄、炎立つ、花の乱、徳川吉宗、秀吉なども、それぞれの魅力があった。
しかし、それ以降約25年の大河は、全く評価できない。
役者の演技力、脚本、時代考証、空気感。それらのどれかがおかしいか、全部がおかしい。特に 『龍馬伝』 以降は目も当てられない。
例を挙げると、
義経 滝沢秀明の最低の演技力、演出が学芸会レベル。
武蔵 海老蔵の演技が下手、米倉涼子は話にならない。ストーリーが意味不明
篤姫 宮崎あおいがド下手くそ、完全な現代人でカツラが全然似合わない。
功名が辻 上川隆也はマシだが、仲間由紀恵の棒読み演技は殴りたくなるレベル。
利家とまつ 唐沢が時代劇に合わない、松島奈々子の演技力が最低 。
江 上野樹里の大根、水川あさみは小学生レベル、向井理は体型的に衣装が似合わない
麒麟がくる 演出、台本、セットすべて最低。長谷川博己の演技と衣装のセンスだけはまし。
スタッフに日本史が分かるものがいるとは到底思えないし、おそらく意図的に日本の歴史を侮辱しているのだろう。チンピラ紛いのディレクターがやっつけ仕事で作っているのは明らかだ。
こんなものをいつまでも「大河」ブランドで作り続けるのは、もうやめて貰いたい。